第12回:社長のよくある勘違い

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長年、中小企業の経営者とお付き合いしていると、よく耳にする言葉があります。

「今度、銀行の○○専務が来社したいそうだ。」

「支店長から△△会への入会を勧められた。」

「うちは支店長が担当みたいなものだから。」

どこか誇らしげに話される社長も少なくありません。

確かに、銀行と良好な関係を築くことは大切です。

しかし私は時々思うのです。

それは本当に自慢することなのだろうか、と。

銀行は大切な取引先です。

資金が必要な時には融資を受ける。

決済や預金など、企業活動を支える重要なパートナーです。

しかし、銀行の役割はあくまでも金融サービスを提供することです。

会社の未来を決めるのは銀行ではありません。

経営者自身です。

同じようなことは顧問税理士にも言えます。

「うちは顧問が公認会計士だから安心。」

「東大出身の先生だから大丈夫。」

そんな話もよく聞きます。

もちろん、優秀な専門家であることは素晴らしいことです。

しかし、学歴や資格だけで経営課題が解決するわけではありません。

そもそも、公認会計士と税理士の違いを正確に説明できる社長は意外と少ないものです。

資格の違いよりも大切なのは、その専門家が自社の課題を理解し、適切な助言をしてくれるかどうかです。

私が事業承継の話をすると、

「銀行から提案を受けているから。」

「顧問税理士に相談しているから。」

という返事をいただくことがあります。

しかし、その後何年経っても進展していないケースを数多く見てきました。

なぜでしょうか。

それは、銀行や税理士に相談していることが問題なのではありません。

経営者自身が考えることをやめてしまうことが問題なのです。

銀行はお金を貸すプロです。

税理士は会計処理や税務申告のプロです。

どちらも非常に重要な存在です。

しかし、会社の未来を設計するのは経営者の仕事です。

誰かが代わりに決めてくれるわけではありません。

私はよく経営者にこうお伝えしています。

「銀行にも税理士にも遠慮する必要はありません。」

感謝は必要です。

しかし、媚びる必要はありません。

経営者は、自社の未来について主体的に考える責任があります。

銀行や税理士は、そのための支援者です。

主役ではありません。

会社の未来を決めるのは、いつの時代も社長自身なのです。