「親が株主だから安心」
その思い込みが、兄弟を裁判へと導いた。
事業承継では、
「親が株を持っているだけだから問題ない。」
そう考えている経営者は少なくありません。
しかし、その”安心”が、大きなトラブルの始まりになることがあります。
今回は、私が実際に経験した事例をご紹介します。
兄弟で経営する二つの会社
A社は年商30億円、利益2億円。
B社は年商10億円、利益5,000万円。
どちらも地域を代表する優良企業でした。
もともとは一つの会社から分社化され、
兄がA社、弟がB社を経営していました。
そして両社の父親は、創業者として引退していました。
土地も株式も複雑でした
工場は隣接し、
約1万坪の土地が、
・A社名義
・B社名義
・父親個人
・兄弟共有
など、600筆以上に分かれていました。
株式も、
A社株を弟が持ち、
B社株を兄が持ち、
さらに父親も両社の株主という状態でした。
私は、
このままでは将来必ず問題になると考え、
土地の交換や株式の整理を提案しました。
兄弟間の株式は整理されましたが、
父親が保有する株式だけは残ったままでした。
「あとで買えばいい」
兄は、
「父の株は、そのうち買い取る。」
そう話していました。
しかし、その”そのうち”は来ませんでした。
父親は97歳で亡くなり、相続が発生しました。
思いもよらない出来事
相続手続きの中で、
父親名義だったA社株式が、
兄の3人の子ども名義へ書き換えられていることが判明しました。
しかも、その頃の父親は認知症でした。
兄弟姉妹の関係は以前から良好ではなく、
当然、大きな問題となりました。
裁判の結果、
名義変更は無効となり、
株式は元に戻されることになりました。
しかし、その後の遺産分割協議もまとまらず、
父親の株式は3人の共有となりました。
議決権の約40%が共有となったことで、
A社は経営上の大きな不安を抱えることになったのです。
さらに悲劇は続きました
裁判の途中、
B社長が突然倒れ、帰らぬ人となりました。
亡くなる一週間前、
病院に呼ばれた私は、
「会社をM&Aしてほしい。」
という依頼を受けました。
しかし、一週間で会社を譲渡することは現実的ではありません。
結果として、
入社してまだ2年目だった35歳の長女が社長を引き継ぐことになりました。
この案件で私が学んだこと
事業承継で一番怖いのは、
「今は大丈夫。」
という思い込みです。
父親だから安心。
兄弟だから安心。
家族だから揉めない。
現実は、そうではありません。
時間が経てば、
・相続が発生する
・家族関係は変わる
・病気や突然の別れもある
だからこそ、
元気なうちに整理しておかなければならないのです。
今週の提言
「親が株主だから安心」
この考え方が、一番危険です。
事業承継は、
会社だけではなく、
家族の未来も左右します。
株式も土地も、
「そのうち整理しよう」
では遅いことがあります。
私はこれまで数多くの現場を見てきました。
その経験から断言できることがあります。
事業承継は、”問題が起きてから考える”ものではありません。
問題が起きる前に準備することが、会社と家族を守る最大の対策なのです。
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国税庁は表向き「公平性」と言いますが、実質は‟相続税ベースの評価が安すぎるところを是正したい“
これだと思います。
よって今後3年以内に起こり得ることは・・・
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