第19回 インフレは、本当に終わるのだろうか?

/

最近、日本の経済政策を見ながら、少し考えることがあります。

政府は、飲食料品の消費税を一定期間ゼロにする方向で検討を進めています。

物価高に苦しむ家計にとって、負担が軽くなること自体はありがたい話です。

しかし私は、どうしても一つ疑問が残ります。

「これで、日本経済の根本的な問題は解決するのだろうか?」

ということです。

消費税を下げれば、一時的には家計の負担は軽くなるでしょう。

しかし、それによって景気が本格的に上向き、税収が増え、日本の財政まで改善していくのか。

私は、それほど単純な話ではないと思っています。

むしろ、私が心配しているのは日本の財政です。

歳出が増え、国債残高も積み上がっている。

その一方で、物価高と円安が私たちの生活を圧迫しています。

政府は「責任ある積極財政」を掲げています。

もちろん、成長のために必要なところへお金を使うことには賛成です。

しかし、「積極財政」である以上、その先にどう財政を持続可能なものにしていくのか。

そこまで示して初めて「責任ある」と言えるのではないでしょうか。

円買い介入だけで、円安は止まるのか

もう一つ気になるのが円安です。

円安が進むと、政府・日銀による円買い介入が話題になります。

確かに、急激な為替変動を抑えるためには必要な場面もあるでしょう。

しかし、為替介入による効果には限界があります。

実際、今年も大規模な円買い介入が行われましたが、その後も円安圧力は続いています。

日本が長年積み上げてきた外貨資産を使う以上、私はできるだけ慎重であってほしいと思っています。

問題の根っこを変えなければ、円を買って一時的に相場を動かしても、いずれ市場は元に戻ろうとする。

私は、円安の背景には金利差だけでなく、日本経済や財政に対する市場の見方もあると思っています。

だからこそ、財政への信認を高める政策が重要なのではないでしょうか。

私は、インフレが続く前提で考える

これから物価は元に戻るのか。

円高になり、昔のような価格水準に戻るのか。

もちろん、未来のことは誰にも分かりません。

しかし私は、

「高めのインフレは、まだ続く」

という前提で生活や資産について考えています。

大切なのは、政府の政策を批判することではありません。

自分自身がどう備えるかです。

現金だけを持っていれば安心だった時代とは、少しずつ状況が変わっていると思います。

円だけではなく、ドルなど外貨を持つ。

資産を分散する。

そして、インフレによってお金の実質的な価値がどう変わるのかを考える。

私は、そうした意識がこれからますます大切になると思っています。

政策がどうなるか。

為替がどうなるか。

私たちには決められません。

しかし、自分の生活や資産をどう守るかは、自分で考えることができます。

「いつか物価高は終わるだろう」と待つのではなく、インフレが続いても困らない生活へ少しずつ変えていく。

最近の経済政策を見ながら、そんなことを考えています。