第12回 今週の提言(2026年6月30日号)

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事業承継最大のリスクは「知らないリスク」と「放置リスク」

―― なぜ多くの会社は、問題が起きてから動き始めるのか

私はこれまで、銀行員時代を含め30年以上にわたり、多くの中小企業の事業承継に携わってきました。

その中で強く感じることがあります。

事業承継で失敗する会社の多くは、
「判断を間違えた会社」ではありません。

むしろ、

「知らなかった会社」と「放置した会社」

なのです。

私はこれを、

『知らないリスク』
『放置リスク』

と呼んでいます。



知らないリスク

事業承継には、

・非上場株式の評価

・株主構成
・会社法

・相続

・遺留分

・持株会社

・組織再編

・M&A

など、非常に多くの専門知識が関係します。

ところが、多くの社長はこう言われます。

「税理士に任せている」
「銀行に相談している」
「難しいのでよく分からない」

さらにもう一つ、よく聞く言葉があります。

「費用がかかるから、もう少し様子を見る」

確かに、事業承継対策には一定の費用がかかります。
専門家への報酬、組織再編、株式対策など、決して小さな投資ではありません。

しかし、

費用がかかることを理由に、何も進めないことこそが最大のリスクです。

知らないから判断できない。
判断できないから動かない。

その結果、問題は先送りされていきます。

社長自身が理解しないまま進む事業承継ほど危険なものはありません。

なぜなら、最終的に会社の未来を決めるのは社長だからです。

知らないまま進めることは、
地図を持たずに山へ入るようなものです。



放置リスク

もう一つ厄介なのが、

「分からないから、そのままにしておく」

という放置リスクです。

実際、多くの社長が、

「まだ元気だから」
「後継者が決まってから」
「時間ができたら考える」
「費用がかかるから今は見送る」

と言われます。

しかし事業承継は、
放置して良くなる問題ではありません。

むしろ時間の経過とともに、

・後継者育成の時間がなくなる

・株価が上昇する

・株主が増える

・相続が発生する

・経営環境が悪化する

など、問題は複雑化し、対策コストは確実に増えていきます。

つまり、

何もしない「放置」が、最もコストの高い選択なのです。

そして気付いた時には、

「もっと早く動けば良かった」

という言葉になるのです。

私はこの言葉を何度も聞いてきました。



会社の未来は、社長の決断から始まる

事業承継は、
単なる相続対策ではありません。

また、
節税対策だけでもありません。

会社をどう未来へつなぐか。

そのための経営判断そのものです。

だからこそ必要なのは、

完璧な知識ではなく、

「自社は今どういう状態なのか」

を知り、そして決断することです。

・自社株の評価はいくらか

・株主構成はどうなっているか

・後継者は決まっているか

・将来の成長戦略は描けているか

まずは現状を見える化する。

そして、必要な投資を判断する。

それが経営者の役割です。



本気で未来と向き合うために

事業承継最大のリスクは、

税金でもありません。
M&Aでもありません。
後継者不在でもありません。

本当に怖いのは、

「知らないこと」
そして
「何もしないこと」

です。

そしてもう一つ、

決断できないこと

です。

決断を先送りする社長は、
結果として会社を、そして家族を苦しめることになります。

これは事業承継に限った話ではありません。
日々の経営とまったく同じです。

会社の未来は、
環境では決まりません。

社長がいつ気付き、
いつ決断し、
いつ動くかで決まります。

そろそろ本気で、
自社の未来と向き合ってみませんか。



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