社長の仕事は「決断」である
―― 決断を先送りする会社に、未来はない
経営者の仕事とは何でしょうか。
営業でしょうか。
資金繰りでしょうか。
人材採用でしょうか。
もちろん、どれも大切な仕事です。
しかし、銀行員として28年間、そして独立して11年間、多くの中小企業の経営者と向き合ってきた私が思うのは、
社長の最も重要な仕事は、「決断すること」です。
私はこれまで、「知らないリスク」「放置リスク」という言葉を使って、事業承継の重要性をお伝えしてきました。
約200社を振り返って研究・分析している中でも、強く感じることがあります。
会社の将来を左右するのは、知識の量ではありません。
会社の規模でもありません。
最後は、
社長が決断したかどうか。
その違いが、5年後、10年後の会社の姿を大きく変えているのです。
実際、多くの社長は、決断を先送りする理由をお持ちです。
「まだ元気だから。」
「後継者がもう少し成長してから。」
「費用がかかるから。」
「もう少し様子を見よう。」
その気持ちはよく分かります。
しかし、その間にも時間は確実に過ぎていきます。
株価は変わります。
市場環境も変わります。
社員の年齢構成も変わります。
そして、会社を取り巻く状況も刻々と変化していきます。
つまり、
決断しないということも、一つの決断なのです。
しかも、その決断は、多くの場合、会社の選択肢を減らす方向へ働いてしまいます。
私はこれまで、数多くの会社で、
「もっと早く決断していれば…」
という言葉を聞いてきました。
反対に、成長し続ける会社には共通点があります。
完璧なタイミングを待たないことです。
100点の答えを待つのではなく、70点でも動き始める。
問題を先送りせず、未来を見据えて決断する。
だからこそ、選択肢が広がり、新たな成長の機会をつかんでいるのです。
事業承継も同じです。
自社株評価を知る。
株主構成を見直す。
後継者を育てる。
組織を再編する。
M&Aや持株会社という選択肢を検討する。
これらはすべて、「決断」から始まります。
もちろん、決断には勇気が必要です。
時にはお金もかかります。
周囲の理解も必要でしょう。
しかし、社長には社員がいます。
取引先があります。
そして、会社を未来へつないでほしいと願う家族がいます。
だからこそ、
決断を先送りすることによって生まれる損失の方が、はるかに大きいと私は考えています。
会社の未来は、環境だけで決まるものではありません。
景気でもありません。
税制でもありません。
最後に未来を変えるのは、
社長の決断です。
その一つひとつの決断が、会社の10年後をつくります。
事業承継も、その決断の一つです。
「まだ早い」ではなく、
「今だからこそ始める」。
そんな経営判断が、会社の未来を大きく変えていくのではないでしょうか。
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