第19回 今週の提言(2026年8月18日号)

/

会社が順調な時こそ、事業承継を考えなさい

――「まだ大丈夫」と思える今が、実は最高のタイミング

「今は会社も順調だから、事業承継はもう少し先でいいですよ。」

私はこれまで、何度この言葉を聞いてきたでしょうか。

業績は悪くない。

借入にも問題はない。

社長も元気。

後継者候補の子どももいる。

だから、

「まだ大丈夫。」

社長からすれば、当然の感覚かもしれません。

しかし、銀行員時代から30年以上、数多くの事業承継に関わってきた私は、むしろ逆だと考えています。

会社が順調な時こそ、事業承継を考える最高のタイミングです。

なぜなら、会社が順調な時には「選択肢」があるからです。

後継者を時間をかけて育てることができる。

自社株を計画的に移すことができる。

株主構成を整理することができる。

持株会社化や組織再編を検討することもできる。

必要であれば、M&Aや外部資本の活用という選択肢まで考えられる。

そして何より、社長自身が冷静に考える時間があります。

ところが、何か問題が起きてからでは事情がまったく違います。

社長の健康問題。

突然の相続。

後継者との対立。

業績悪化。

金融機関との関係悪化。

こうした問題が表面化すると、事業承継は「未来を考える経営戦略」ではなく、
「目の前の問題を処理する緊急対応」になってしまいます。

そうなれば、当然、選択肢は少なくなります。

私はこれまで、そのような場面を何度も見てきました。

そして、その時に社長やご家族から出てくる言葉は、ほとんど同じです。

「もっと早く考えておけば良かった。」

事業承継で失われる最大のものは、お金だけではありません。

時間と選択肢です。

時間があれば、いろいろな方法を比較できます。

失敗しても修正できます。

後継者にも経験を積ませることができます。

会社そのものを、次の世代が経営しやすい形へ変えることもできます。

しかし、時間がなくなれば、「最善の方法」ではなく「今できる方法」を選ばざるを得なくなります。

ここに、私が以前から申し上げている「放置リスク」があります。

「まだ大丈夫。」

この言葉は安心感を与えてくれます。

しかし、その「まだ大丈夫」の間にも、時間は確実に過ぎています。

社長も年齢を重ねます。

後継者も年齢を重ねます。

社員も年齢を重ねます。

市場も変わります。

会社の価値も変わります。

つまり、何もしなくても会社を取り巻く環境は動き続けているのです。

だから私は、事業承継を「困ってから相談する問題」にしてほしくありません。

事業承継は、問題が起きてから解決するものではない。
問題が起きないうちに、会社の未来を設計するものです。


会社が順調だからこそ、5年後、10年後を考える。

社長が元気だからこそ、後継者と話をする。

利益が出ているからこそ、次の成長へ投資する。

そして、選択肢がたくさんある今だからこそ、会社の未来を自分で選ぶ。

私は、それが本来の事業承継だと思っています。

事業承継は「引退準備」ではありません。

会社が元気なうちに始める、次の成長戦略です。

「まだ大丈夫」と思っている社長にこそ、一度考えていただきたい。

もし5年後、突然何かが起きても、この会社は大丈夫でしょうか。

後継者は困らないでしょうか。

社員は安心して働き続けられるでしょうか。

そして、ご家族は困らないでしょうか。

その問いに自信を持って「大丈夫」と答えられないのであれば、始めるのは5年後ではありません。

今です。

会社が順調な今だからこそ、未来のための決断ができます。

その時間を、どうか無駄にしないでください。



自社株評価・事業承継 個別相談受付中

非上場株式の評価ルール変更の可能性大!

改正前に、いや、今すぐ対策しましょう!

国税庁は表向き「公平性」と言いますが、実質は‟相続税ベースの評価が安すぎるところを是正したい“
これだと思います。
よって今後3年以内に起こり得ることは・・・

銀行員28年の経験と、多数の事業承継支援実績をもとに、社長目線で分かりやすく整理し、
現実的な方向性をご提案します。

初回相談(60分) 料金:3万円(税込)

会社の現状整理・課題抽出・今後の方向性助言

▶ お問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。