「子どもだから継がせる」時代は終わりつつある
―― これからの事業承継で問われるのは「経営者としての資質」
「会社は長男に継がせる。」
かつての中小企業では、ごく自然な考え方だったと思います。
社長の子どもが会社に入り、やがて専務になり、そして社長になる。
株式も子どもへ渡す。
いわば、家業を次の世代へ引き継いでいくという事業承継です。
もちろん、私は親族内承継そのものを否定しているわけではありません。
子どもが会社を理解し、社員や取引先から信頼され、経営者として十分な資質を備えているのであれば、
親族内承継は非常に有力な選択肢です。
しかし、私は最近強く感じています。
「子どもだから継がせる」という事業承継は、もう通用しにくい時代になってきたのではないか。
その最大の理由は、会社経営そのものが、以前とは比較にならないほど難しくなっているからです。
円安。
インフレ。
原材料価格の上昇。
人件費の上昇。
少子高齢化。
人手不足。
国内市場の縮小。
そして、テクノロジーの急速な進化。
昨日までの成功体験が、明日も通用するとは限りません。
この環境の中で会社を率いる経営者には、これまで以上に研ぎ澄まされた経営感覚が求められます。
数字を読む力。
環境変化を感じ取る力。
人を動かす力。
そして、何よりも「決断する力」。
さらに、社長一人ですべてを判断する時代でもありません。
税務、法務、財務、M&A、IT、人事――。
それぞれの分野で信頼できるブレーンを持ち、その意見を聞きながら、最後は自分で決断する。
経営者としての資質と、それを支えるブレーンの存在。
これからの中小企業経営には、この両方が欠かせないと私は思っています。
だからこそ、事業承継で最初に考えるべき問いも変わってきます。
「子どもがいるか。」
ではありません。
「次の10年、この会社を経営できる人は誰なのか。」
です。
私は、ここを間違えると非常に怖いと思っています。
子どもだからという理由だけで会社を継がせる。
本人も「親の会社だから」という理由で引き受ける。
しかし、経営者としての覚悟や資質が十分でなければ、苦しむのは後継者本人です。
そして、その判断の影響を受けるのは後継者だけではありません。
社員とその家族。
取引先。
金融機関。
そして創業家。
多くの人の人生が、経営者一人の判断に左右されます。
実際、私は近年、「子どもに継がせることが、本当に正しかったのだろうか」と感じるケースを見ることが
増えてきました。
親として会社を残してやりたい。
その気持ちは理解できます。
しかし、経営者として考えれば、
会社を子どもに渡すことより、会社を未来へ残すことの方が重要なのではないでしょうか。
事業承継を取り巻く環境も、大きく変わろうとしています。
これまでの事業承継対策では、
「自社株の評価額はいくらか。」
「どうすれば株価を引き下げられるか。」
「どうすれば税負担を抑えて子どもへ株式を渡せるか。」
という議論が中心になりがちでした。
もちろん、今後も株式評価や税負担を考えることは重要です。
しかし、非上場株式を取り巻く評価の考え方や環境が変化していけば、事業承継そのものの発想も変えていく
必要があります。
私は、これからは、
「株価を下げて、子どもへ渡す」ことを中心に考える時代から、「誰がこの会社を最も成長させられるのか」を
考える時代へ移っていく
のではないかと思っています。
そこで重要になるのが、
後継者候補の育成。
役員・従業員への承継、いわゆるEBO。
そして、第三者へ会社を託すM&Aです。
つまり、
「誰に株を渡すか」から、「誰に経営を託すか」へ。
事業承継の主役が変わっていくのです。
子どもに経営者としての資質があるなら、時間をかけて育てればいい。
社員の中に優秀な人材がいるなら、その人に託す方法を考える。
社内に適任者がいなければ、M&Aによって、会社をさらに成長させてくれる企業へ託すことも考える。
大切なのは、最初から答えを「子ども」に決めてしまわないことです。
会社を守ること。
社員を守ること。
そして、後継者となる子どもの人生も守ること。
そのために、
「誰が次の経営者として最もふさわしいのか」
を冷静に考える。
私は、それがこれからの事業承継だと思っています。
事業承継は、相続対策ではありません。
ましてや、単なる株式移転でもありません。
次の経営者を選び、育て、会社を次の成長ステージへ進める経営戦略です。
「子どもだから継がせる」から、
「経営者としての資質がある人に託す」へ。
事業承継の常識そのものが、今、大きく変わろうとしているのではないでしょうか。
自社株評価・事業承継 個別相談受付中
非上場株式の評価ルール変更の可能性大!
改正前に、いや、今すぐ対策しましょう!
国税庁は表向き「公平性」と言いますが、実質は‟相続税ベースの評価が安すぎるところを是正したい“
これだと思います。
よって今後3年以内に起こり得ることは・・・
銀行員28年の経験と、多数の事業承継支援実績をもとに、社長目線で分かりやすく整理し、
現実的な方向性をご提案します。
初回相談(60分) 料金:3万円(税込)
会社の現状整理・課題抽出・今後の方向性助言
▶ お問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。