最近、丹羽宇一郎氏の『死ぬほど読書』を読んでいます。
読みながら、改めて思わされることがあります。
「自分は、本当に何も知らないな。」
63歳になり、銀行員として28年間働き、独立してからも10年以上、多くの経営者と仕事をしてきました。
それなりに経験を積んできたつもりです。
しかし、本を読むと、自分が知っていることなど世の中のほんの一部にすぎないことに気づかされます。
これが、読書の面白さなのかもしれません。
知識だけではなく、「どう生きるか」を考える
『死ぬほど読書』を読んでいると、単なる読書論というより、私には哲学書のようにも感じられます。
どう働くのか。
どう生きるのか。
人として、何を大切にするのか。
そんなことを考えさせられます。
特に私が共感するのは、倫理観の大切さです。
「自分さえよければいい。」
「自分の会社さえ儲かればいい。」
それだけでは、長く続かないのではないでしょうか。
私は、近江商人の「三方良し」という考え方が好きです。
「売り手良し、買い手良し、世間良し。」
自分だけが利益を得ようとするのではなく、相手にも喜んでもらい、さらに周りにも良い影響を与える。
一見すると遠回りのようですが、結局はそういう仕事の仕方をした方が、信頼が生まれ、人が集まり、巡り巡って自分自身も大きな恩恵を受けるのではないかと思っています。
私の仕事には「仕入れ」がない
私は今、コンサルタント、そして「事業承継プロデューサー」として仕事をしています。
考えてみると、この仕事には一般的な商売のような「仕入れ」がありません。
商品を仕入れて販売するわけではない。
工場で製品をつくるわけでもない。
では、私にとっての仕入れとは何なのか。
最近、その答えの一つは、
「読書」
ではないかと思うようになりました。
経営、金融、M&A、歴史、哲学、社会、そして人間そのもの。
本を読み、自分の知らない世界を知る。
そこで得た知識や考え方を自分なりに咀嚼し、実際の仕事や経営者との対話の中で生かしていく。
それが、私の仕事にとっての「仕入れ」なのだと思います。
仕入れをしない商売が成長しないように、私も読書をやめれば、いつか提供できるものがなくなってしまうのかもしれません。
読書は「心のビタミン剤」
そして、もう一つ。
私にとって読書は、
「心のビタミン剤」
でもあります。
仕事がうまくいかないとき。
自分の判断に迷ったとき。
これからどう生きていこうかと考えるとき。
本を開くと、自分とは違う時代を生きた人、まったく違う世界を経験した人の考え方に触れることができます。
すると、不思議と視野が広がります。
「そんな考え方もあるのか。」
「自分はまだまだだな。」
そう思えるだけでも、心が少し整います。
63歳になっても、知らないことばかりです。
だからこそ、まだまだ本を読みたい。
そして、まだまだ学びたい。
読書は、私にとって仕事の「仕入れ」であり、人生の「心のビタミン剤」。
これからも、本からたくさんの栄養をもらいながら、少しずつ自分自身を成長させていきたいと思っています。
第25回 私にとって、読書は「仕入れ」である
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