~余剰資金が事業承継を難しくすることもある~
「借金はほとんどない。現預金も十分にある。うちは財務内容には問題ありません」
長年、堅実な経営を続けてきた社長ほど、このような会社をつくっています。
もちろん、素晴らしいことです。
しかし、事業承継という視点から見ると、会社にお金を貯め続けることが、思わぬ問題につながる場合が
あります。
それが「自社株」です。
① 儲かるほど、自社株が高くなる?
会社が毎年利益を出し、その利益を内部留保として蓄積していけば、会社の純資産は増えていきます。
当然、現預金や有価証券などの資産も増えていきます。
その結果、会社の状況によっては自社株評価も高くなっていきます。
つまり、
「良い会社をつくった結果、株式を後継者へ渡しにくくなる」
ということが起こり得るのです。
これが非上場企業の事業承継の難しいところです。
② 「会社のお金」を全部残す必要があるのか?
そこで社長に考えていただきたいことがあります。
会社に5億円の現預金があるとして、
本当に、その5億円すべてが事業に必要でしょうか?
前回お話しした「ネットキャッシュ」にもつながります。
会社には、給与、仕入代金、税金、借入返済などのために、一定の運転資金が必要です。
さらに、将来の設備投資や新規事業に備える資金も必要でしょう。
しかし、それを超えて長年使われていない現預金や有価証券、不動産があるなら、
「事業に必要な資産」と「余剰資産」を一度分けて考える必要があります。
③ 余剰資金は「減らす」のではなく「活かす」
ここを間違えてはいけません。
株価を下げるために、会社のお金を無理に使えばよいという話ではありません。
大切なのは、
「この資金を会社の未来のために、どう活かすのか」
です。
例えば、
・新しい設備への投資
・人材採用や人材育成
・新規事業への投資
・M&Aによる事業拡大
・役員退職金
・適切な配当
など、さまざまな選択肢があります。
さらに会社の状況によっては、資産管理会社や会社分割などを活用し、「事業」と「資産」を整理するという
考え方もあります。
④ 「株価を下げる経営」から「企業価値を高める経営」へ
私は、これからの事業承継では、この考え方が非常に重要になると思っています。
従来は、
「どうすれば自社株を安くできるか」
という株価対策が中心でした。
しかし、本来、社長が目指すべきなのは、
会社の価値を下げることではなく、企業価値を高めることです。
余剰資金を眠らせるのではなく、成長投資に振り向ける。
その結果、利益が増え、社員が育ち、事業が強くなれば、会社の未来は大きく変わります。
今週の結論
会社にお金があることは、悪いことではありません。
問題は、
「そのお金を何のために持っているのか」
です。
事業に必要なお金はいくらなのか。
余剰資金はいくらなのか。
その余剰資金を、次の成長にどう使うのか。
そして、どのような会社の姿で次世代へ引き継ぐのか。
事業承継とは、単に株式を後継者へ渡すことではありません。
会社に蓄積した「資産」と、会社が生み出す「事業」をどう次世代へつなぐのか。
そこまで考えて初めて、本当の事業承継戦略になるのだと思います。
社長、会社に眠っているお金を、そろそろ「未来のために使うお金」に変えてみませんか?
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国税庁は表向き「公平性」と言いますが、実質は‟相続税ベースの評価が安すぎるところを是正したい“
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よって今後3年以内に起こり得ることは・・・
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