社長は、誰に会社の未来を託すのか
――「誰に継がせたいか」ではなく「誰なら未来をつくれるか」
私は銀行員時代から30年以上、多くの中小企業の経営者とお付き合いしてきました。
その中で、事業承継ほど社長の決断が問われる問題はないと感じています。
「息子に継がせたい。」
「長年支えてくれた専務に任せたい。」
「できれば創業家で会社を守りたい。」
その気持ちは、よく分かります。
しかし、私は社長に一つ問いかけたいのです。
「その人は、これからの10年間、会社を成長させられる人ですか?」
今、中小企業を取り巻く環境は大きく変わっています。
円安、物価高騰、人手不足、少子高齢化、そしてAIの急速な進化。
これまでの経験や成功体験だけでは、会社を守れない時代になってきました。
次の経営者には、変化を読み取る力、社員を動かす力、そして何より、自ら決断する力が求められます。
私は、これからの事業承継で最も重要なのは、「血縁」や「年功」ではなく、「経営者としての資質」だと
思っています。
もちろん、子どもにその資質があれば、素晴らしいことです。
しかし、子どもだからという理由だけで継がせることは、本人にとっても社員にとっても、
必ずしも幸せな結果にはなりません。
社内に適任者がいれば、役員・従業員への承継を考える。
社内にいなければ、外部経営者の登用やM&Aも選択肢になります。
大切なのは、最初から承継先を決めつけないことです。
そして、もう一つ忘れてはいけません。
経営者の資質は、生まれつきの能力だけで決まるものではありません。
経験を積ませる。
決断を任せる。
失敗から学ばせる。
信頼できる経営幹部や専門家を周囲に置く。
現社長が時間をかけて育てることも、事業承継の大切な仕事です。
第27回で、私は「社長は次の世代に何を残すのか」と問いかけました。
その答えの一つは、自分がいなくても成長できる会社と、それを率いる経営者を残すことではないでしょうか。
会社は、社長個人の財産であると同時に、社員や取引先、地域社会を支える存在でもあります。
だからこそ、後継者選びは親の愛情や個人的な感情だけで決めてはいけません。
「誰に会社を渡したいか」ではなく、「誰なら会社の未来をつくれるか」。
その視点で、もう一度後継者を考えてみてください。
会社の未来を誰に託すのか。
それを決めることこそ、現社長に課せられた最も重い責任の一つだと、私は思っています。
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国税庁は表向き「公平性」と言いますが、実質は‟相続税ベースの評価が安すぎるところを是正したい“
これだと思います。
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