実録事例シリーズ 第1回

【実録事例】

年商16億円の食品メーカー。

社長72歳。後継者不在。

“見えない株主リスク”を放置した会社の結末。

九州のある食品製造会社。
年商16億円、安定した取引先を持ち、利益も出ている地域の優良企業でした。

社長は72歳。
しかし、後継者はいませんでした。

そのため将来的には、第三者への譲渡、いわゆるM&Aが現実的な選択肢となっていました。

ところが、この会社には表面上見えにくい、重大な問題が潜んでいました。


問題は業績ではなく、“株主構成”でした

株主構成は次の通りでした。

  • 社長 32%
  • 故会長夫人 10%
  • 関係会社3社 58% (先代の死亡時に金庫株にしたために・・・)

つまり、現社長自身では会社をコントロールできない状態でした。

しかも、その関係会社3社は、過去に先代会長が全国展開・上場も視野に入れ、同一ブランドで各地に設立した企業でした。

しかし時代は変わり、他の各社の経営状態は悪化していました。


関係会社の実態

A社(東北地方)

持株24%。2期連続赤字。

B社(中部地方)

持株34%。繰越欠損あり。他社への貸付金も抱える。

C社(四国地方)

持株なし。ただし債務超過で、本法人との資金関係あり。

つまり、株主である関係会社そのものに、倒産リスクがあったのです。


社長は問題に気づいていませんでした

当時の社長は、こう考えておられました。

「昔からの関係会社だから大丈夫」
「特に揉めてもいない」
「株主構成は昔からこうだから問題ない」

しかし、私は明確にお伝えしました。

このままでは、事業承継もM&Aもできません。

もし関係会社が倒産すれば、保有株式は第三者へ売却される可能性があります。

そうなれば、

  • 見知らぬ第三者が株主になる
  • 買収交渉が複雑化する
  • M&A価格が下がる
  • 承継自体が不可能になる

可能性がありました。

弊社の提案で初めて、株主構成が“経営リスク”であることに気づかれました。


私たちが行ったこと

弊社は、連携税理士と共に、

  • 資本関係の整理
  • 株式移動の交渉
  • 将来承継を見据えた支配権の再構築
  • M&A可能な資本政策への修正

に着手しました。

交渉には1年を要しましたが、最終的に資本関係の解消に成功しました。

このあと、関係会社は倒産しています。

この作業がなければ、この食品製造会社も引きずられて倒産していたと思います。

財務が良好な会社でも、社長の知らない潜在的リスクの有無を弊社みたいなアドバイスができる会社をアドバイザーに持つことが重要です。こんな作業は、銀行はしません。顧問税理士もできません。そういう発想がないのです。


その3年後、社長から一本の電話

「そろそろM&Aしたい。手伝ってほしい。」

そこから本格的な譲渡準備に入り、最終的には地場の有力企業(年商200億円)への譲渡が無事成立しました。

従業員の雇用も守られ、取引先との関係も継続。
会社は新たな成長ステージへ進むことになりました。


今週の提言

業績が良くても、株主構成が悪ければ承継は止まります。

多くの社長は、売上・利益・借入金は見ています。
しかし、株主構成を見ていません。

事業承継・M&Aで最後にものを言うのは、

誰が株を持っているか。

ここです。


このようなお悩みはご相談ください

  • 株主構成が複雑で整理できていない
  • 親族以外の株主がいる
  • 後継者不在でM&Aを考えている
  • 会社の将来に不安がある

事業承継は、売る話ではなく、整える話から始まります。

ご相談はホームページのお問合せより、初回相談は無料です。