実録事例シリーズ 第5回


【実録事例】

「5年間、止まり続けたM&A」

それでも最後に成立した理由とは何か。

2018年。
あるオーナー企業M社から、M&A(売却)のご相談をいただきました。

希望価額は1億円。

対象は、地方都市で人気の雑貨店R社でした。

・年商1億3,000万円
・利益300万円
・M社の100%子会社
・店舗は親会社所有の建物を賃借

一見するとシンプルな案件に見えます。

しかし、この案件は結果的に、

完了までに5年を要しました。



なぜ、ここまで長期化したのか

最大の理由は
「単純な株式譲渡ではなかった」ことです。

M社は、
・郊外に1,400坪の土地を保有
・建物6棟の賃貸事業
・年商1,000万円、利益300万円

という不動産会社でもありました。

つまり、

事業と不動産が複雑に絡み合っていたのです。



私が設計したスキーム

この案件では、単なる売却ではなく、

“全体最適”の設計

が必要でした。

最終的に組み立てたのは、以下の3点です。

① R社株式を1,000万円で買手T氏へ譲渡
② 1,400坪のうち300坪を外部企業へ2,000万円で売却
③ R社がM社株式を銀行借入7,500万円で取得

この3つが同時に成立しなければ、
案件全体が成立しない構造でした。



最大の壁は「人」と「理解」でした

この案件には、5つの大きなハードルがありました。

① 株主が7名
意見調整に時間を要しました。
② 銀行の理解不足
スキームが複雑で、融資判断が進まない。
③ 第三者(I社)の存在
300坪の土地売却が成立しなければ全体が崩れる。
④ キーパーソンの急逝
5年間、売り手窓口だった常務(75歳)が交渉の最中に急逝。
⑤ 老朽不動産
築50年の建物がネックとなり、複数の買い手候補に断られた。



一度は“白紙”になりかけた

2023年。
コロナ禍で案件は中断。

さらにキーパーソンである常務が急逝。

ここで通常は

案件終了

となります。



それでも、再開した理由

社長(83歳)がこう言われました。

「何とかしてほしい」

この一言でした。



最後に成立した理由

正直に言えば、

“スキーム”だけではありません。

・株主への粘り強い説明
・銀行への徹底した資料作成
・第三者との調整
・何度も崩れかけた交渉の再構築

そして何より、

「絶対にまとめる」という意思

これがすべてでした。

2023年11月、ようやく最終契約に至りました。



今週の提言

M&Aは、“条件が良い会社”だけが成立するわけではありません。

むしろ現実は逆です。

・複雑な案件

・時間がかかる案件

・一度崩れた案件

こうした案件をまとめる力こそ、本当の価値です。



社長にお伝えしたいこと

M&Aは、
「いくらで売れるか」ではなく、

「どう設計するか」で結果が変わります。



ご相談ください

・不動産と事業が絡んでいる
・株主が複数いて整理できない
・銀行が理解してくれない
・一度頓挫した案件がある

そのような案件ほど、解決の余地があります。

事業承継・M&Aは、“諦めたら終わり”です。



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