第2回 「持株会社を設立すれば節税できる」は本当か?


~銀行提案の8割は“融資ありき”かもしれません~

「持株会社を作りませんか?」

事業承継の場面で、銀行からこの提案を受けた社長は多いはずです。
実際、銀行が提案する事業承継策のかなりの割合が、この持株会社スキームではないでしょうか。

しかし、ここで社長が知っておくべきことがあります。

持株会社設立=節税対策
この理解は、かなり危険です。



銀行がよく提案するスキームとは?

多くは次の流れです。

① 後継者が新会社(持株会社)を設立
② 銀行がその会社へ融資
③ 持株会社がオーナーから本体会社株式を買い取る
④ 本体会社から持株会社への配当を原資に借入返済

一見、きれいな承継スキームに見えます。

しかし銀行側から見れば、
・新会社へ大型融資ができる
・オーナーに現金が入るため資産運用提案ができる
・不動産投資など追加融資につながる

という営業上のメリットがあります。

つまり、

会社のための提案に見えて、実は銀行ファーストのケースもある

ということです。



社長が見落としやすい最大の問題点

このスキームでは、持株会社の返済原資は本体会社からの配当です。

たとえば年間3,000万円返済が必要なら、
法人税等を考慮すると、税引前では約4,600万円規模の利益が必要になる場合もあります。

つまり、

本体会社が毎年しっかり利益を出し続けることが前提

なのです。

景気悪化、原価上昇、人手不足…。
利益が落ちれば返済負担が一気に重くなります。

ここまで丁寧に説明する金融機関は、正直多くありません。



もう一つの方法「株式移転」

持株会社を作る方法は、融資スキームだけではありません。
もう一つが株式移転です。

本体会社株主が持つ株式を新設持株会社へ移し、
その対価として持株会社株式を受け取る方法です。

結果として、
・新設会社が親会社
・本体会社が100%子会社

という持株会社体制ができます。

この方法は、借入を伴わずに再編できる可能性がある点が大きな特徴です。

しかし銀行は融資機会が少ないため、積極提案は多くありません。



今週の結論

「持株会社を作れば節税できる」

これは一部正しく、一部誤りです。

本当に考えるべきは、

誰のためのスキームか?
会社に返済負担はないか?
将来の成長につながるか?

この3点です。

持株会社は魔法の節税策ではありません。
使い方次第で、会社を強くも弱くもします。

銀行の提案を鵜呑みにせず、社長自身が理解して判断する。
それが事業承継成功の第一歩です。

他、注意点ありますので、銀行から持株会社の提案があった時は、

是非、弊社までご相談ください。初回、相談は無料で行います。